日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

美を讃える言い回し(その1)

現在、当ブログで最も多くのアクセスをしていただいているのが、『美人を表す四字熟語12選』という記事のようです。

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題の通り、美しい人を表す四字熟語を紹介しているのですが、多くの方に関心を持たれている反面、四字熟語はどうしても実用性には欠けます。

「あなたのその氷肌玉骨の体躯と一笑千金とも言える面貌は、時代が違えば傾国傾城と呼ばれ~…」

などと対面で言っていたら、相手は言葉を失うでしょう。ただの気持ち悪い人でしかありません。恋文でもギリギリアウトな気がします。

 

ということで、今日はある程度実用的な美を讃える言い回しを集めてみました。

もしかしたら今後使える場面がやってくるかも…?

 

御淑やか(おしとやか)

振る舞いが落ち着いていて、上品な様子。

淑やかの”淑”は紳士女の”淑”であり、気高く品位のあること。

反対の言葉を挙げるとすれば、「ガサツ」になるでしょうか。

 

煌びやか(きらびやか)

華やかで輝いている様子。

人の目を引くほどに派手で豪華なことを表現する時に用いる言葉。

「煌々として」などのように、「煌」は美しく光輝くという意味。

金碧輝煌(きんぺききこう)

金や青(緑)に美しく輝くことを表す四字熟語。

 

瑞々しい(みずみずしい)

若々しく元気な様子。

水水しい」とニアリーイコール。野菜や果物などが、新鮮で水分を多く含んでいる様子を表す時にも用いられる。

張りがあって透き通った肌、そして態度や表情も爽やかなさまを言うときに使うべき言葉。

美男美女がつやっぽく色気のあるさまを「水も滴る…」などと表現したりしますが、それに近いような気がします。

 

雅やか・雅びやか(みやびやか)

上品で優美なこと。

”雅”という字は、「雅楽」などと言うように、芸術的で繊細なものの趣を解する感性があるという意味を持つので、洗練された上品な美しさを表します。

古くから存在する言葉であり、古典的な趣がある美しさを讃えるときに用いるべき言葉。

「雅やかな言葉遣い」「雅やかな衣装」などの様に、文面で見かける場面はあるかと思います。

 

艶やか(つややか・あでやか・なまやか)

女性の容姿がなまめかしいさま。

女性の色っぽい美しさを表す言葉であるが、読み方が3種類あり、それぞれイメージできる意味合いが異なる。

艶やか(つややか)

「つややか」と読む場合は、光沢があってつやつやとしている様子や、健康的な美しさを表現する時。

肌や髪の毛、瞳や声に潤いがあって健康的な様子がイメージできます。

艶やか(あでやか)

「あでやか」と読む場合は、目を引くような派手で華やかな印象を表現する時。

時には少し扇情的な色っぽさを表す時にもよく用いられています。

艶やか(なまやか)

「なまやか」と読む場合は、柔らかく滑らかな様子、また若々しくて生命力に溢れている様子を表現する時。

上ふたつと比べて聞き慣れないですが、「生やか」と漢字を充てることもでき、異性の心を誘惑するような生々しい色っぽさが想起されます。

 

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以上、美を讃える言い回しでした。

第二弾も準備しておりますので、また更新したいと思います。