日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

漢検準一級レベルの二字熟語(その2)

夢の内容をすぐに忘れてしまうのが惜しいので、夢の内容を記録する「夢日記」を一時期書いていたことがありました。

今日、ふと机の引き出しの底にメモ紙(夢日記)をみつけたのでそれを読み返してみたところ、「『ルオ シェンダ シュンダ シェンミ』これを何度も唱えれば、宇宙の軌道に乗ってすべての人生が思い通りに行く。」と鼻毛のような字で書いてありました。

 

すぐに丸めてごみ箱に捨てました。

気になった方は実践してみてください。

 

…さて、今日は前回の続きでございます。

 

 

正閏(せいじゅん)

正統なものと、そうでないもの。

”正”=正統なもの ”閏”=正統でないもの

四年に一度ある「うるう年」は、漢字表記にすると「閏年」となり、平年ではないということ。

正閏論」とは、どの国家・王朝を正統とするかの議論や論争のこと。

 

佳肴(かこう)

美味しい食べ物。

”肴”の訓読みは「さかな」。

もそのうちの一つではあるが、特に「酒と一緒に頂く料理」のことをいう。

「アテ」や「ツマミ」のほうが聞き馴染みがあるかもしれません。

 

美酒佳肴(びしゅかこう)

四字熟語もあり。

大変に贅沢なご馳走のこと。美味しい酒と料理というそのままの意味。

 

倦疲(けんぴ)

物事に飽きて嫌になること。

怠感(けんたいかん)」や、「労感(ひろうかん)」など、日常でよく見る文字なので、語意はそのまま理解しやすい。

ただ、熟語の読みが似つかわしくない可愛らしい響き。

 

”倦”の字をいざ書こうと思ったら、意外と大変なので、大きめのフォントで表示させたものを置いておきます。

少し話は逸れますが、複雑な漢字をなかなか覚えられないと思った時は、その字を一度大きく紙に書いてみるのがおすすめです。小さく回数を重ねるよりも、視覚的に記憶に残りやすいです。

 

峻厳(しゅんげん)

非常に厳しい様子。

峻(けわ)しく厳(きび)しい。

一切の不正も許さない!といった感じ。

”峻”は、「峻嶺(しゅんれい)」「急峻(きゅうしゅん)」などの熟語にもあるように、高く険しい山のことを表す漢字。

優渥(ゆうあく)

「峻厳」の対義語というわけでもないが、調べていたら関連語句として挙がってきたので、ついでに紹介。

義理人情に篤(あつ)く、めぐみが深いことを表す熟語。

「帝の優渥なる施しに…」といったように、上位の存在から手厚い扱いを受けた時に使われる。

 

乞骸(きつがい)

(官職を)辞職すること。

訓読すると「骸骨を乞う(がいこつをこう)」となる。

「主君にささげたこの身ではあるが、せめて亡骸だけは故郷に埋めたいので、どうかお返しください。」と、辞職を願い出たという故事が元。出典は『妟子春秋(あんししゅんじゅう)』。

大層な言い方ではあるけれど、かつて政府・国家に仕えるにはそれだけの覚悟を持つ必要があったということですね。

 

蕩尽(とうじん)

財産を使い果たすこと。

”蕩”は、「放蕩(ほうとう)」また「蕩(とろ)ける」など、しまりがなく、ほしいままな様子

”尽”は、「~し尽くす」などと言うように、ことごとくすべてをだしきるという意味を持つ。

類義語は「浪費」「乱費(濫費)」など。

対義語は「蓄積」になるでしょうか。

また”蕩”は揺れ動くという意味もあり、揺蕩う(たゆたう)とかは難読漢字クイズで見かけたことがあるので、覚えておくと良いかもしれません。

 

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以上、漢検準一級レベルの二字熟語(その2)でした。

 

このシリーズはあともう一回を予定しています。

それでは、さようなら。