おはようございます。
今日は「良くもなく悪くもない」という意味の言葉をいくつか取り上げてみました。
良くはなくても悪くないのであれば、いわゆる「普通」というやつなのですが、これらの文言が使用される場面を思い起こしてしみれば…、お世辞や社交辞令で溢れているこの世の中ですから、どちらかと言えば皮肉や侮蔑に近い意味で使われることが多いように思います。
箸にも棒にもならぬ物などよりはずっと増(ま)しではあるとは思うのですけれど。
それでは、どうぞ。
平々凡々(へいへいぼんぼん)
読んで字のごとく、平凡なさま。平凡を重ねて更に意味を強調したもの。面白みがないというニュアンスで使われることが多く、どちらかと言えばマイナスのイメージだ。
「私は現在小田舎で平々凡々と暮らしています。」などとあれば、大きな苦労もなく気楽に生活しているというやや一歩下がった表現
毒にも薬にもならぬ
害があるわけではないが、役には立たない物のこと。どちらにせよインパクトに欠けるなという時に使われることが多い。
沈香も焚かず屁も放らず(じんこうもたかずへもひらず)
”毒にも薬にもならぬ”を、これでもかというほど大仰に表現した言葉。お香を焚いて良い匂いがしているわけでもなければ、屁をこいて臭いガスをまき散らしているわけでもないのである。該当しないのは聖人君子か大悪党かと言ったところだろうか。
人畜無害(じんちくむがい)
人にとっても鳥獣虫魚(ちょうじゅうちゅうぎょ)にとっても特に害はないということ。
親切で人当たりの良さを示すときに使われたりするが、創作物に登場する人物の性格設定としては、やや物足りなさがある。
犬にたとえると、体は大きいが温厚な性格のゴールデンレトリバーのような感じでしょうか。
(出典:http://inulog.net/)
一方で「過不足(かふそく)なし」。
こちらは、多すぎず少なすぎず、ちょうどいい量・加減であることを表します。均衡のとれた中道を行っているという良い意味で使われますね。
平凡な人間、平凡な人生などとはいいますが、甘いも酸いも、苦も楽も調和がとれているということですから、それはそれで大変に素晴らしいことなのであります。
短いですが今日はこの辺で。さようなら。