日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

漢字の二択問題7連発!正しい表記はどっち?

お早うございます。

久しぶりにクイズ形式の投稿をしたいと思います。

クイズ形式と言っても、正しい方を選ぶ二択の問題です。

 

早速問題に移りましょう。

変換すれば一発で出てくるものですが、少し考える時間をいただければなと思います。

 

次の下線太字の部分で、正しい漢字はどちらでしょうか。 

1.ごセイチョウありがとうございました

①清聴

②静聴

 

2.アイヅチを打つ

①合槌

②相槌

 

3.ヤクビョウ神にとり憑かれる

①厄病

②疫病

 

4.キキイッパツのところで救われた

①危機一髪

②危機一発

 

5.オオバン振る舞い

①大番

②大盤

 

6.イチドウに会する

①一堂

②一同

 

7.フンショコウジュ

①焚書坑儒

②焚書抗儒

 

 

正解:

1.①  2.②  3.②  4.①  5.②  6.①  7.①

 

 

それでは解説に移ります。

 

 

1.①ご清聴ありがとうございました

清聴”とは相手が自分の話を聞いてくれることを敬った表現。

静聴”とは静かに聞くことで、会場が騒がしい時に「ご静聴願います」などと言ったりする。

 

2.②相槌を打つ

相槌を打つとは人の話に頷(うなず)いたりすることをいう。

鍛冶屋の師と弟子が相互に槌(つち)を打ち合う様子からできた熟語。相手とタイミングを合わせるからといって、”合槌”と書くと誤りになるので注意。

 

3.②疫病神にとり憑かれる

災厄、厄年、厄介などの熟語から、「厄=害をもたらすもの」として、”厄病神”と表記してしまいそうだが、さにあらず。

疫病神(やくびょうがみ)とは、疫病(えきびょう)を世に流行らせる神のことで、そこから良くないことを招く嫌われ者と言う意味になった。

 

4.①危機一髪のところで救われた

既(すんで)のところでといった意味だが、この”一髪”というのは、一本の毛ほどの僅かな隙間のこと。

間髪(かんはつ)を入れずという故事成語がありますが、あちらは一本の毛ほどの僅かな隙も間にいれず立て続けにという意味である。”間髪”という一つの言葉があるわけではないので、「かん、はつをいれずに... 」と区切って読むのが正しい。

 

5.②大盤振る舞い

大盤振る舞いとは食事などを気前よく与えて盛大にもてなすこと

”大盤”も椀飯(おうばん)から変化したもの。椀飯は字のごとく、椀に盛られた飯のこと。

 持て成しの席では、椀に盛った飯を来客に振る舞うという文化が平安時代からあるそうです。

 

6.①一堂に会する

一堂に会するとは複数の人たちが同じ場所に集まること

 ”一堂”とは同じ一つの建物・場所のこと。

「一同に会する」だと、「みんなに集まる」というよくわからない意味になってしまう。「一同が会する」なら意味は通りますが。

 

7.①焚書坑儒

焚書坑儒とは秦(しん)の始皇帝が思想弾圧の為に行った政策のこと。

”焚書(ふんしょ)”とは書物を焼くこと。”坑儒(こうじゅ)”とは儒学者を生き埋めにすること。

(学者)に(あらが)うのではなく、坑=穴に埋めて しまうのだ。パワーが違う。

坑儒で生き埋めにされた儒学者は460人にのぼったと言われています。実際にあったことかどうかは分かりませんが、凄惨な大事件ですね。

 

史上初の中国全土の統一を成し遂げた始皇帝ですが、死を免れること(不老不死)に躍起になっていたんですよね。彼にも弱い所があったんだなあと。

 

 

 

以上です。

今日はこの辺で。