電車に乗ると、なんとまあ多くの人がスマホを操作していることか。
移動という退屈な時間をしのぐための行為なのでしょうが、冷静に眺めると、誰も彼もがそのかまぼこ板のような機械に目を向けている光景は、どこか異様に思えてしまいます。
そんな中、たまに参考書を開いている学生さんを見かけると、感心してしまいます。
隙間時間をどう使うかで、その差が積み重なって大きな違いになっていくのだろうなあと。
自分が受験生の頃にスマホが普及していなくて良かったとつくづく思います。
さて、今日はいくつかの二字熟語を紹介します。
このブログのタイトルに「難しい日本語」とあるわけですけれども、その難しい日本語の核となるのは、複雑怪奇な二字熟語だったりするわけです。
日常でめったに見かけることはないが、古い小説で出てくるような「今でも使えなくはない熟語」を紹介できればと思っています。
獰悪(どうあく)
荒っぽく凶悪な性質であること。
同じく、荒々しい生き物を表す熟語として”獰猛(どうもう)”があるが、こちらは人間に対して使われる印象が多い熟語だ。
日本語仙人:夏目漱石の『吾輩は猫である』では、”書生(しょせい)は人間中で一番獰悪な種族だ”という記述があるのう。
仕儀(しぎ)
事の成り行き。始末。過程。
とくにあまり思わしくない事態になってしまったときに使われる表現。
「斯様(かよう)な―と成り果てり。」
漫罵(まんば)
むやみに相手を非難すること。
とくにはっきりとした根拠もないのに、みだりに相手をののしることを言う。
日本語仙人:”漫”という字は、「漫談」「漫然」の熟語のように、何となく、とりとめもなく、という意味があるな。
首肯(しゅこう)
頷き賛同すること。
「肯定」という熟語にもあるように、”肯”は賛同する意味。
首を縦に振り、うんうんその通りだと呼応することを表す。
同衾(どうきん)
男女の共寝。
”衾”は(ふすま)とも読み、平安時代に利用されていた寝具の一種。
つまり、同じベッドで寝るということ。
日本語仙人:焼肉や鍋など、同じものを囲んで食べる料理を同衾食(どうきんしょく)といったりするのう。
同衾共枕(どうきんきょうちん)
意味は同じで男女の共寝のこと。四字熟語バージョン。
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以上、高難度の二字熟語でした。
長らく更新が途絶えているにもかかわらず、継続してお読みいただきありがとうございます。このブログも、毎日の隙間時間にちょろっと読んでもらえたらなという思いで続けていきます。