日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

親友をあらわす言葉

ズッ友というギャル語がありますが、どうやら誤った解釈をしていたようです。

ずっと前からの友達、つまりは長い付き合いの仲、幼なじみをあらわす言葉だと思っていたのだが、そうではなく「これからも私たちはずっと友達」「ずっと友達でいようね」ということだそう。
卒業式シーズンになると、別れを惜しんで「ズッ友」という言葉が教室中に溢れかえるのでしょうか。

とくに使う機会があるわけではないので正確な意味を知る必要は全く無かったのですが…。

英語にしたほうが分かりやすいらしい。

Best friends forever


…なるほど。

今日は親友を表す言葉を紹介。
うってかわって急に堅苦しい文字列が出てきますが、あしからずご了承ください。

* 断金の交わり(だんきんのまじわり)

出典は『易経』。三国志でも有名な孫策(そんさく)周瑜(しゅうゆ)のエピソードが元となった。
二人が心を一つにすれば、金属を断ち切れるほどの力が出る。そんな関係。

刎頚の交わり(ふんけいのまじわり)

相手のためなら、たとえ首をはねられても悔いはないと思える固く結ばれた友情のこと。
出典は『史記』。中国春秋時代廉破(れんぱ)将軍と藺相如(りんしょうじょ)のエピソードが元となる。

莫逆の友(ばくぎゃくのとも、ばくげきのとも)

逆はさからうもの、莫はその打ち消し。
つまり、付き合う上で心に全くわだかまりがないこと。気のおけない仲というやつである。
出典は『荘子』。

水魚の交わり(すいぎょのまじわり)

水と魚のように、切っても切り離せない親しい関係のことをいう。夫婦仲のよいことのたとえとしても使われる。出典は『蜀志・諸葛亮伝』。
三国時代、蜀の劉備諸葛亮との間柄をそうたとえて言ったことに由来する。

如魚得水(=魚の水を得たるが如し)も、離れることのできない親密な間柄、またそのような友人を得ることをいうが、その人に相応しい場所を見つけ、そこで大いに活躍するというたとえとしても使われる。

肝胆相照らす(かんたんあいてらす)

肝は肝臓、胆は胆嚢のことで、心の深部のことを表す。それを互いに照らす(=打ち明けられる)完全に打ち解けあった親友のこと。


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中国の故事がもととなったこれらの言葉は、どちらかというと男女間の恋愛というよりは、男同士の友情が元になった言葉が多いですね。断金の交わり孫策周瑜に代表されるブロマンス的な関係は、いまのBL作品の人気よろしく一部の女子たちに受けたのでしょうか。

今日はここまで。

人名由来の言葉

何かをやらかしてしまった時に「〜したンゴwww」「〜だったンゴwww」のように、「ンゴ」が語尾についたフレーズをよくネットで見かけますが、由来が気になって調べたところ、プロ野球で9回裏に抑えとして登板したが、ひとつもアウトを取れず大逆転敗北をしてしまったというドミンゴ選手のエピソードが発端だそうです。

当時コメントの機能がついたネットライブで、「ドミンゴwww」という文字が大量に流れていたのが想像できます。

さて、今回は人名由来の言葉について。

外国では、サディズムマゾヒズムなど、それぞれの性的嗜好を表現した作家の名前が由来となっていたり、アメリカ独立戦争時に、体制派の人々を次々と処刑していったチャールズ・リンチ(私刑)など他にも多数。

現代でも、その豪快なエピソードから注目を集める現役プロサッカー選手のズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimović)に因んだ造語「Zlatanera」がスウェーデン語の辞書に登録されたと聞きました。

もちろん、日本語にも人名由来の言葉は多く存在しています。今回はその一部を紹介。

出歯亀(てばがめ)

覗き魔。
1908年に女性を暴行殺害した女湯のぞきの常習犯、池田亀太郎(いけだかめたろう)が由来。彼は出っ歯だった。
殺人、のぞき、出っ歯。3つ揃ってしまったがために、後世までその名を残す結果となってしまいました。殺人に関しては冤罪だとも言われていますが、真相はいざしらず。

土左衛門(どざえもん)

水死体。
腐敗によって膨張した水死体を、当時(江戸中期)の力士成瀬川土左衛門(なるせがわどざえもん)に見立てて言ったというのが有力な説。
成瀬川本人が水の中で亡くなったわけではない。

頑固一徹(がんこいってつ)

強情でかたくなな性格。
戦国時代の大名稲葉良通(いなばよしみち)が由来。頭を丸めたあとの名前が稲葉一鉄
姉川の戦い(1570年)で一番の功績を上げ、織田信長から名を授かるという最高の褒美を貰ったにもかかわらず、それを断った。など、数々のエピソードから、たとえ相手が誰であってもどのような状況であっても、信念を曲げないという意味を持つ言葉としてその名を残す。

五右衛門風呂(ごえもんぶろ)

下から火をたいて直接沸かす鉄製の釜風呂。
豊臣秀吉の暗殺を企てた(諸説あり)とされる世紀の大盗賊石川五右衛門(いしかわごえもん)が釜茹での刑に処されたという伝説から。
蓋のように浮いている底板を踏み沈めるようにして入る。下手をすれば大やけどをしかねないので、入浴には慎重を期する。
現物については百文は一見に如かずで画像検索で調べていただくのが良いかと思います。

名無しの権兵衛(ななしのごんべえ)

名前の分からない人。仮名。
”どっかの誰かさん”を面白おかしく言ったもの。
当時田舎に「権兵衛」という名前の男が多かったことや、幕府の目から逃れる為、歓楽街の遊女に権兵衛名と呼ばれる男性風の名前を騙らせたという出来事から。(権兵衛名をもたない新人の遊女も数多くいた。=”名無しの権兵衛”)など、由来は諸説あり。


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以上、人名由来の言葉でした。

苦しい時に思い出したいことわざ5選

 「苦しい時は上り坂」「楽は苦の種苦は楽の種」 ―困難を乗り越えた先には大きな成長と明るい未来が待っている…。
この手の言葉は、見聞きしない日は無いほどに溢れていますが、苦しみの只中にいるときは居ても立ってもいられない状況で、とても精神論で切り抜けられるようなものではないと切り捨てられてしまうのが実情です。
ただ、御守り代わりに頭の片隅にでも記憶しておけば、多少の励みにはなる時が来るかもしれません。
今回は、数多あるそれらの中から、5つを選んで紹介いたします。

目次

禍い転じて福と為す

自分の身に降り掛かった災難を活用し、逆にいい結果になるよう取り計らうこと
元の形は「転為禍福(てんいかふく)」という四字熟語。
”失敗は成功のもと”という有名すぎる一文がありますが、ニュアンスはそれにとても近いですね。努力をしたりや考え方を変えたりすることで、マイナスをプラスに変えることができたりするものです。

怪我の功名(けがのこうみょう)

失敗や災難が、却ってよい結果を生むことを怪我の功名と言います。
両者とも似た意味を指す言葉ですが、違いを示すならば転為禍福は努力の賜物であるのに対し、怪我の功名は思いがけず偶然にといったところでしょうか。

禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)

幸福と不幸は表裏一体であるということの喩え
幸不幸はよりあわせた縄のように変転を繰り返すものであるから、その都度一喜一憂するのは不毛であるということ。
つまり、思いがけない幸運にありつけたとしても油断せず、災難に遭ったとしても絶望するなという戒めと励ましの文句だ。

苦は楽の種、楽は苦の種

苦は楽の、楽は苦のもとになるという似た意味を持ちます。
こちらは水戸黄門のモデルにもなった徳川光圀(とくがわみつくに)の言葉だそうです。
「人生楽ありゃ苦もあるさ 涙の後には虹も出る」。

雨降って地固まる

事故や揉め事が起こった後は、かえって基盤ができることにより事態が良くなるというたとえ。
雨が降ることにより地盤が緩くなってしまうが、その後晴れて日差しにあたることにより水分が蒸発し、むしろ雨が降る前より強固になるという意味。
辛いことが起こっても、「いや、これを乗り越えたら以前よりもずっとよくなる!どんどんよくなる!」そう思えたら凄いですね。

人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)

人生は何が起こるか予測ができないことのたとえ。
人の世はいつどこでなにが起こるか全く予想できません。好調だと思われたものが突然瓦解したり、どん底で這いつくばっていた状況から大逆転をする可能性だったりします。
フォロワーが何十万もいるインフルエンサーと呼ばれる人たちが、舌禍事件を起こして炎上し転落したりと、突然真っ逆さまなんてこともあるもんです。
人間の読み方に注意。「にんげん」と読んでもおおよその意味は通りますが、ここでは「じんかん」。「じんかん」と読む場合は「人の世、人生」をあらわします。

艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)

ひどく辛い境遇は人を立派に成長させる。
”艱難”とは辛く苦しく悩みの絶えないこと。”汝”はあなた。”玉”とは宝、素晴らしいもののこと。
「人間は磨けば光るダイヤモンドの原石
は、パナソニック創設者の松下幸之助の言葉。

艱難辛苦(かんなんしんく)

四字すべてが似た意味を持つこれでもかという強調表現。言葉にできないほどの苦しみ。

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以上、「苦しい時に思い出したいことわざ5選」でした。
「困難を乗り越えた先には、必ず良いことが待っている」。ただし、「うまく行ったからといってゆめゆめ油断はするな」。…という二つのメッセージが込められた言葉が多いような気がしました。

「勝って驕らず負けて腐らず」。
改めて、考え直したいですね。

寿司屋で聞く業界用語

寿司屋に行くと、日常では見かけない言葉に出会います。

まず暖簾にかかれている文字が”寿司”とは限らず”鮨”や”鮓”など変幻自在。

くずし字で書かれていて何と読むかわからない品書きであったり、魚へんの漢字が大量に書かれた湯呑み、ネタのグレードで値段が変わる松・竹・梅。

また、寿司と一緒にいただくであろう日本酒の銘柄も、詳しくない人にとってはなかなかに難解です。

さらには捌かれる時を只管(ひたすら)に待つお魚たちが棲息する生簀があったりと、まさに都会の片隅にある一壺天(いっこてん)。年に一度は目の正月とばかりに寿司屋に足を運びたいものです。

とくに店の中で飛び交う業界用語は、聞き慣れたものもありますが、奇異なものも多いです。その寿司職人の間で使われる業界用語を「符牒(ふちょう)」と呼ぶそうですが…、すでにその時点で頭が痒くなりそうです。

ガリ」「シャリ」「ナミダ」…幾つ思い浮かびますか?

 

「あがり」

お茶のこと。

花柳界(芸者・遊女の社会)では、人気がない芸者が暇を持て余していることを「お茶を挽く」と言うことから、「お茶」は縁起のいい言葉として使われていませんでした。それとは逆に、ご指名があり座敷に上がれる人気の芸者を「おあがりさん」と読んだことから、縁起を担いで「あがり」と呼ばれるようになったと言われています。

 

「むらさき」

醤油のこと。

こちらも諸説ありますが、そのまま色が紫色であることから。昔の「紫」は、現在よりも赤みがかった色のことを指していたそうです。今とは一般認識が違っていたということですね。

 

「おあいそ」

これは最も人口に膾炙していると思います。まぎれもなく「お勘定」のこと。ただ本来は、店側が客に対して「愛想がなくて申し訳ございません」と勘定書を出す場面で使われる言葉。

客の立場で「おあいそ」と言ってしまうのは、「貴店の料理にはほとほと愛想が尽きました」という意味になってしまうので(由来を重んじるならば)避けたほうがいいかもしれません。

 

「兄貴」

比較して、先に仕入れたものを「兄貴」、後に仕入れたものを「弟」と呼ぶそう

つまり「兄貴」と呼ばれるものは鮮度が落ちたネタだということ。これぞまさに隠語というべき業界用語。

言い方を変えて、「ニイサン」はたまた「ネエサン」などと呼ぶこともあるそうですが…。客の中にもそれがわかる人もいるので、職人間でも迂闊に発せない言葉ではあるでしょう。

 

「シャリ」

酢飯。

釈迦の遺骨「仏舎利(ぶっしゃり)」に似ていることが由来。米を研ぐときの音からという説も。

白色のお米を細かく崩れた遺骨の破片と喩えたのは、すこぶる連想が逞しいですね。

骨はやがて土に還り、めぐりめぐって五穀豊穣の大きな要素となります。

 

「片思い」

アワビのこと。

磯の鮑の片思いということわざが由来。一枚貝である鮑が磯でたたずむ様子を、むくわれぬ一方通行の想いとして喩えた言葉だ。

起源を辿ればさらに古く、”伊勢の海人(あま)の朝な夕なに潜(かづ)くとふ鮑の貝の片思いにして”万葉集』。

 

 

アワビを「片思い」と言ったり、シャコを「ガレージ」といったり...粋と言えば粋なのでしょうが、少々回りくどくも思えなくもないです。私は好きですが。

職人の間で使うなら味が出て格好がつくのですが、単なる一人の客として使うのは洒落っ気があるとはいえ、なんだか躊躇われます。(←個人的感想か…。)

ただ、「おあいそ」は、店側が客に対して謙遜して用いる言葉であるというのは覚えておきたいですね。

 

以上。

 

ウマ娘のシンボリルドルフが使う四字熟語とその意味(その2)

 

前回記事の続きでございます。

 

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快進撃を続けるシンボリルドルフ宛にある日ファンレターが届く。

自身を応援してくれているファンの期待に応えられるよう、一層精進を重ねると心に刻み込むのであった。

恐懼感激(きょうくかんげき)

ありがたさに心が奮い立ち恐れかしこまる様子

 

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菊花賞』への調整も兼ねた夏合宿。生徒会長としての仕事に忙殺されながらも、彼女なりに納得のゆくトレーニングが行えたようだ。

活溌溌地(かっぱつはっち)

元気に満ち溢れていて、いきいきとしているさま

 

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菊花賞も勝利で飾り、”三冠ウマ娘”の称号を得たルドルフ。レース後はいつも神色自若としている彼女であるが、この瞬間ばかりは興奮が抑えきれない様子である。

観感興起(かんかんこうき)

実際に目で見て感動し、奮い立つこと

 

神色自若(しんしょくじじゃく)

大事があっても顔色一つ変えず落ち着いているさま

神色の”神”は精神、”色”は顔色のことを表す。

 

 

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レースデビュー3年目に差し掛かる元日、初詣での願い事に挙げられたのは三つの選択肢。

医食同源(いしょくどうげん)

医薬品と食品は共に健康を保つうえで欠かせないものであるという考え方。”薬食同源”が本来の形だとされている。

 

全知全能(ぜんちぜんのう)

全てを知り、全てを行える完全無欠の能力を持っていること

 

風流韻事(ふうりゅういんじ)

 書画や詩歌づくりなどの上品な遊びを楽しむこと

 

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来る2月14日、生徒会室前には大量の箱が山積みにされていた。

バレンタインデーでのチョコレートの送り方としてはインフォーマルであるが、そんな送り主達の行動をなんともいじらしいと感じ、ことことと微笑の絶えないルドルフであった。

欣喜雀躍(きんきじゃくやく)

喜びのあまり小おどりすること

”欣喜”は大喜びすること”、”雀躍”は雀が小おどりしている様子を表す。

純情可憐(じゅんじょうかれん)

邪心が無く清らかである様子

 

屋烏之愛(おくうのあい)

 愛情の深い事のたとえ

人を深く愛すると、その家の屋根に留まっているカラスでさえも愛しく思えてしまうことからきた四字熟語である。似た意味で痘痕も靨(あばたもえくぼ)ということわざがある。

対義語:坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

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自分は魔法が使えるのだと唐突に告白したルドルフ。その心は彼女からのサプライズ。日頃世話になっているトレーナー宛への贈り物がその手には携えられていた。

漫言放語(まんげんほうご)

根拠のないことを好き勝手に言うこと。”放語”は無責任な発言のこと。

 

破顔一笑(はがんいっしょう)

顔をほころばせてほほ笑む様子

 

一転して笑顔になる様子が、頭の中で映像としてありありと思い浮かぶ魅惑の四字。

私の一番好きな四字熟語です。

 

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ウマ娘のレース発展を願い”ファン大感謝祭”を公に告知したルドルフ。

さらに上へさらに上へと完全無欠の”皇帝”になろうと躍起になるのであった。

 

嘔心瀝血(おうしんれきけつ)

必死で物事に取り組むこと

心を嘔き血を注ぐ」から。口から心臓を吐き出し、血を滴らせるほどに全力で取り組むのである。

 

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日々の心労がたたり、ファン感謝祭での模擬レースで大失態を演じてしまったルドルフだったが、トレーナーの一言により心の平穏を取り戻す。彼女を心配する多くの者の姿がそこにはあり、”皇帝”としての本来の在り方を思い出したのであった。

 

凍解氷釈(とうかいひょうしゃく)

氷が解けるように問題が解決に進むこと。

 

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その甲斐あってか、天皇賞(春)のレースはわだかまりの無い心持で臨めたようである。エキシビジョンレースでの汚名返上。次に照準を合わせるのは、秋のジャパンカップである。

 

光風霽月(こうふうせいげつ)

心がさっぱりと澄みきっていることのたとえ。

”光風”は太陽のもとさわやかに吹き抜ける風、”霽月”は雨上がりの晴れ澄みきった空に浮かぶ月のことを表す。

 

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ある日、一緒に来てほしい場所があるとルドルフに真剣な面持ちで懇願されたトレーナーは、”駄洒落Tシャツ専門店”に同行する。

 

 呵呵大笑(かかたいしょう)

 大声で笑うこと

”呵呵”も”大笑”も大声で笑うことをあらわす。

 

炉辺談話(ろへんだんわ)

炉端でするような雑多な話

 

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レースシーズンを終え、トレーナーと温泉旅行に出かけたルドルフ。

生徒会長としての仕事や日々のトレーニングで息をつく暇もなかった彼女は、激動の三年間を回顧しながら骨を休めるのであった。

有形無形(ゆうけいむけい)

目に見えるものと目に見えないもの

事事物物(じじぶつぶつ)

あらゆるものごと

 

 

以上、”ウマ娘シンボリルドルフが使う四字熟語とその意味”でした。普段目にしないようなものも多分に出てきましたね。今後のストーリーにも注目ですね。

ルートによっては違う会話になったり、取り上げてない四字熟語もあるので、今回紹介した限りではありません。

それでは、さようなら。

 

ウマ娘のシンボリルドルフが使う四字熟語とその意味(その1)

どうもこんにちは。

今、「ウマ娘」が全国で一大ブームとなっていますね。

実在の名馬の名前を冠した”ウマ娘”とその史実に準拠したストーリーが、ゲーマーだけでなく競馬ファンにも受けているようです。

そんなウマ娘のうちの一人、”皇帝・シンボリルドルフ”はやたらと会話の中で四字熟語を使用し、彼女の詠雪之才を余すことなく見せつけてきます。

その四字熟語の中には、人口に膾炙しているものだけではなく、日常ではめったに聞くことが無いようなものまで多分に含んでいる為、ここでその一部を紹介しようと思います。

画像は(株)Cygamesのスマホゲーム、『ウマ娘 プリティ―ダービー』からの出典です。

 

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デビューを表明しただけで学園中で話題沸騰のシンボリルドルフ。学園の生徒会長として既に名高い彼女には大きな期待が寄せられるが、当の本人はそのような重圧などどこ吹く風。しかし、生徒会の仕事とハードなトレーニングを両立させるとなれば、生中な覚悟ではやってはいけない。

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・生気溌溂(せいきはつらつ)

動作や表情がいきいきしている様子。

 

・泰然自若(たいぜんじじゃく)

落ち着いていて何事にも動じないさま。

 

・意気衝天(いきしょうてん)

意気込みが非常に盛んな様子。

「意気、天を衝(つ)く」が元の形。

 

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・悠々閑々(ゆうゆうかんかん)

焦りがなく落ち着いているさま。

”悠”とはのんびりゆったりしている様子、”閑”は静かな様子を表す。似たような意味を持つ漢字の組み合わせ+畳語という構成の強調表現である。平素から多事多端な彼女だからこそ出る台詞ではなかろうか。

 

そんな彼女には右腕とも呼べる優秀な相方、”エアグルーヴ”が居る。

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もう一人、エアグルーヴと同じく副会長の”ナリタブライアン”はぶっきらぼうだが、新人の生徒会庶務を気に掛ける一面もある。

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右腕となって働いてくれている彼女たちをルドルフは『莫逆之友』と評す。

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最近生徒会に庶務として新人のウマ娘が入ったらしいが、その娘が起こす諸問題について彼女たちは少々苦心しているようだ。

 

・才華爛発(さいからんぱつ)

才能が盛んにあふれ出ていること

前回記事にも出てきた「才気爛発」と同義。

 

・傲岸不遜(ごうがんふそん)

態度が横柄で人に従わない様子。

 

・莫逆之友(ばくぎゃくのとも・ばくげきのとも)

きわめて親しい付き合いをしている友人

”逆”とは逆らうこと、”莫”はその打消し。つまり、付き合う上で心に逆らうものがないということである。

 

・桃三李四(とうさんりし)

物事の成就には年月がかかることのたとえ。

桃は三年、スモモは四年の歳月を身を付けるのに費やします。物事は一朝一夕にできる様になるわけではありませんからね。ここで、「桃栗三年柿八年」ということわざが同時に思い浮かべば良し。

 

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”怪物・スーパーカー”の異名を持つマルゼンスキー(右)と邂逅する。まさに破竹之勢で幾多ものレースを勝ち抜いてきた彼女にルドルフも一目を置いているようだ。

 ・破竹之勢(はちくのいきおい)

 とどめがたいほどに勢いが盛んな様子。

最後まで一直線に割れるという竹の性質から生まれた言葉。

 

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新年の抱負として、掲げるべきは何かと問うルドルフ。列挙されたのは3つの選択肢。

 

・賢良方正(けんりょうほうせい)

賢く、行いがただしいこと。

 

・十全健康(じゅうぜんけんこう)

全く体に悪い所がないこと。

 

・武芸百般

ありとあらゆる武芸、武術などをまとめた言葉

”武芸百般に通ずる心得”などと使う。

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ある日、新人の生徒会庶務のウマ娘が、偉大な会長の負担になりたくないと辞職を願い出た。

そこでルドルフは自身の出走する『皐月賞』を見に来ないかと提案する。

 

・無二無三(むにむさん)

1.ただ一つしかなく、それに代わるものが無いこと。

2.一つの事に没頭すること。

 生徒会室に校訓として掲げられている”Eclipse first, the rest nowhere.(唯一擢んでて並ぶものなし)”から推察すると1の意味として捉えそうですが、ここでは2の意味。

因みに”Eclipse first, the rest nowhere.”は直訳すると、「エクリプス一着、あとは居ない」。”エクリプス”とはイギリスで18世紀後半に活躍し、サラブレッドの基礎を作ったといわれる競走馬で、そのデビュー戦での結果を予想した馬主の言葉が由来である。

当時のヒートレースでは、1着から240ヤード(約219メートル)離された場合は入着が認められず失格になるため、エクリプスが2着を240ヤード以上離してゴールすると予想し、的中させたのである。

 

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・大言壮語(たいげんそうご)

できもしないことを大袈裟に言うこと。

いわゆる”ビッグマウス”というやつである。ただ、自身を評した言葉なので、文脈としてはへりくだった表現であると言える。

 

皐月賞』で勝利したシンボリルドルフは自分の夢を懇々と語る。その思いに触発された庶務のウマ娘は、生徒会の続投を決意。

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・焦心苦慮(しょうしんくりょ)

 あれこれと心配し、思い苦しむこと。

 

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 『日本ダービー』をも走り終え、積日の労苦を見せたルドルフ、それはレースの直後だからと弁解するが…。

 

・意気軒高(いきけんこう)※意気軒昂とも

 気力にあふれていて元気なさま。

気力が地平から軒の高さまで達しているという意味である。前述の”意気衝天”と同義だが、”天を衝く”ほどの瞬間火力的な凄まじさを表現しているわけではない。

 

~次に続く~

thistle975.hatenablog.com

賢い人を表す四字熟語

賢見思斉(けんけんしせい)という故事成語があります。

訓読にすれば、”賢(けん)を見ては斉(ひと)しからんことを思う”。

これは、賢い人を見ては、自分もそのような人になりたいと思うことという意味です。

あらゆることに関して、その道に卓越した人に対し、羨ましく思ったりするものです。が、その裏には多くの人生経験や長期に亘る勉学の継続という一朝一夕には成し得ない陰の努力がものがあるのです。

さて、今回は知徳に優れた人、というべきでしょうか。賢い人を表す四字熟語を紹介します。

一目十行(いちもくじゅうぎょう)

書物などを読む速度に優れていることのたとえ

一目で十行分の文章を読むことができるという意から。梁(りょう)の簡文帝(かんぶんてい)が幼少から優れた知能を持っていたというエピソードが由来。

いわゆる速読の達人。現代ではそれができることをひけらかす人も時々いますが、あまり良いイメージはもてませんね…。ある程度のスピード感をもって読書をすることは良いとは思うのですが、書物は熟読玩味(じゅくどくがんみ)が基本ではないでしょうか。

一挙三反(いっきょさんはん)

頭の回転が速く、一から類推してほかの多くの事を理解ができることのたとえ

一を聞いて十を知るという誰もがよく知る諺がありますが、それを四字熟語で表現するとしたらこれになるでしょうか。

教える価値のある人について、孔子は、”四隅を持った物の一つを示せば、残りの三隅を自分で類推して答えることができる(ような人)”といった故事から。

 

眼光紙背(がんこうしはい)

書かれた言葉の真意まで見通す理解力、読解力があること

多くの場合、「眼光紙背に徹す」と続く。

現代でも時々使われる言葉で近いものを挙げるなら、「行間を読む」でしょうか。こちらは、”隠された意図や意味を読み取ること”という意味になります。両者の違いを考えるならば、眼光紙背は力量、行間を読むは手法ということになりますかね。

 

博覧強記(はくらんきょうき)

広く書物を読み、多くの物事を記憶していること

「博覧」は多くの分野の書物を読んでいること、「強記」は記憶力のよいことを表す。

いわゆる「物知り」ですね。

似たような意味の四字熟語に博学多才(はくがくたさい)があります。対義語を挙げるならば、浅学菲才(せんがくひさい)でしょうか。

 

才気煥発(さいきかんぱつ)

才能がさかんに現れているさま

”才気”は優れた才能や鋭い頭の働き、”煥発”は輝くように現れていること

プロスポーツや舞台芸能で輝かんばかりの活躍をしている人は、まさに「才気煥発としている人」と言えるでしょう。

一方で、才能があるにもかかわらず、それを発揮する機会に恵まれていない人、表には出ていない影の実力者を表す「伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)」という四字熟語もありますが、これが対義語になるでしょうか。

 

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千里の道も一歩からと言いますので、手近なところからスタートしていけばよいのですね。ローマは一日にして成らずですが、塵も積もれば山となります。

それでは!