日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

漢字(和語)と漢語で意味が異なる熟語 その1(「多少」「勉強」など)

お久しぶりでございます。

 

同じ表記でも、漢字(和語)と漢語でその意味が異なるものがあります。

今回は、普段よく使われる言葉という、特にややこしい例を幾つかピックアップしてみました。

 

 

左右(さゆう)

漢字:右と左。

漢語:側近、補佐役。動かす。

 

 

遠慮(えんりょ)

漢字:言動を控えめにすること。

漢語:先を見据えた考え。

深謀遠慮(しんぼうえんりょ)という四字熟語を聞いたことがあるかもしれません。

漢語においては、「こずるい」「ずる賢い」という意味を強めるために使われることもあるようです。

 

 

多少(たしょう)

漢字:少し、少しばかり。

漢語:多い。

漢字(現代語)と漢語で意味が全く反対になるわけですね。

因みに、中国語で多少(duōshǎo)は、金額や数量を尋ねる時の疑問詞として使われます。

 

勉強(べんきょう)

漢字:学問にはげむこと。

漢語:物事を強いられる。

本来学問というものは自ら進んでするものであり、他人に強いられるものではないと思うのです。何度耳にしたか、何度目にしたか覚えていませんが、子どものころから「勉強」という漢字を見る度に、そのイカつさに違和感を覚えていました。

勉(つと)めることを強(し)いられる…。イメージから、勉強とは辛いものだという刷り込みがされてしまいそうで、漢字として使うにはあまり相応しくない気がします。

そこで「勉強」に代わるいい言葉は無いかと自分で考えてみました。調べる習うで「調習(ちょうしゅう)」…、いかがでしょうか。

 

 

馳走(ちそう)

漢字:美味しいもの。御持て成し。

漢語:馬に乗って走る。

昔は今のように近所のスーパーで食材を買うなどということはできなかったので、馬を走らせ遠出をしたり、狩猟に出かけて収穫をしていました。あちこちを走り回ってお客様におもてなしをしたという事です。

スーパーに食材が並ぶまでにも、様々な過程があるわけです。豪華な料理だけが御馳走というわけではありませんね。

 

 

故人(こじん)

漢字:亡くなった人。

漢語:旧友、幼馴染み。

故郷、故事、温故知新のように、「故」には「昔からの、古くからの」という意味があります。

故人西の方、黄鶴楼(こうかくろう)を辞し煙花(えんか)三月揚州(ようしゅう)に下る」で始まるのは、李白が昔からの友人である孟浩然(もうこうねん)を詠んだ漢文(『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』)。中学校で習ったかと思います。

 

 

「遠慮=遠くまで慮る」「馳走=馳せ走る」となるように、日常的に何気なく使っている言葉も、字にして意味を考えてみると語源や詳細な意味が見えてきて興味深いですね。

 

それではさようなら。