行成(いきなり)ですが、題名にある”二通り”は、何と読むでしょう。
…その通り、正解は「ふたとおり」。訳も無い事ですね。
「にとおり」もべつに間違いではありませんので、どうやら二通りの読み方があるといって良いみたいです。
ただ、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ…と数えることを考えると、”一通り””二通り”はそれぞれ「ひととおり」「ふたとおり」と読むのが通例なのでしょう。
だとすれば、”三通り”も「みとおり」が正しいのでしょうか。
ほとんど聞くことがないですね。改めて聞くとそうだなという感じなのですが、多くは「さんとおり」と言うのではないでしょうか。これはやはり、「みとおり」と言ってしまうと、「にとおり」と聞き間違えてしまうからあまり好まれて使われていないのだと思われます。いわゆる言語の自浄作用というやつです。
言葉というのは、その時代の様々な文化や慣習によって使いやすい様に、都合の良い様にその形を変えていきます。あるものはすんなりと受け入れられたり、またあるものはなかなかに受け入れ難かったりするのですが、そこまで激おこぷんぷん丸にならなくてよいかと思います。…低俗な流行り言葉は一瞬で死滅するのがお決まりですから。
最後まで残っていたやつが勝者というわけだ。
さて、今日は「閲する」の読みと意味に関する投稿でございます。
読み方は、
「えっする」または「けみする」。
意味は、
1.目を通して読み調べる。 「過去の文献を―。」
2.(時間・年月が)経過する。 「五年の歳月を―。」
1の意味は、「読む」と「調べる」がセットになった「読んで調べる」を少し格式ばった表現にした感じがしますね。
1の意味での”閲”を用いた熟語に”校閲(こうえつ)”というのがあります。
数年前に「校閲ガール」というテレビドラマが放映されたことをきっかけに、校閲のお仕事が広く世の中に知られるようになりました。(なったようです。)
何が校閲ガールじゃ××!と思いながらも、私もその一話と二話の途中まで見ていた記憶があります。内容と感想は割愛します。
校閲の似た意味として、または並列の熟語として”校正(こうせい)”があります。それぞれ混同しないように、両者の意味を確認しておきましょう。
校正は誤字脱字など、文字の誤りや不備を正すこと。
文書に限らず色彩の不具合を正すことにも。
校閲は書かれている内容が事実かどうか(人名や歴史項目、日付や数値)、相応しい表現であるどうかをネットや書物を用いて調べること。
2の意味で”閲”が用いられている熟語も紹介しておきます。
・閲歴(えつれき)・・・その人が今まで経験してきたこと
・閲歳(えっさい)・・・(”歳を閲する”から)年月が経つ、過ごす
ざっと調べてみたのですが、”えっする”と読んだ場合も”けみする”と読んだ場合も、意味の違いは無いように思われました。書き手の気分によって焔を「ほのお」と読ませたり「ほむら」と読ませたりするのと同じだと思います。
以上。
さようなら。