数字を含む故事やことわざを紹介していきたいと思います。
なんと第二弾でございます。
「十人十色」「一石二鳥」「七転び八起き」、
「二階から目薬」「五里霧中」「三つ子の魂百まで」…
など、これまでにご自分の言葉の中で、これらを登場させた経験というものがおありかと思います。
人口に膾炙していることわざトップ10を挙げるとすれば、上位はほとんどがこれら数字を含んでいるものが占めているのではないかと思うのです。
喩えとして分かりやすく且つ使い勝手が良いのがその理由でしょう。
今日は、やや難しめの故事・ことわざを選んでみました。覚えておくと得かもしれません。
- 一将功なりて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
- 誉人千人悪口万人(ほめてせんにんわるくちまんにん)
- 千石取れば万石羨む(せんごくとればまんごくうらやむ)
- 万古不易(ばんこふえき)
- 一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)
一将功なりて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
一人の功名の陰には、万人の犠牲がある。
上に立つ一人の人間の輝かしい結果には、縁の下の力持ちと呼べる多くの功労者が関わっているわけです。例外はありません。
指導者などいわゆる偉い人たちの成功が取りざたされる一方で、下の者の労苦は顧みるとが無いことへの嘆き節。
誉人千人悪口万人(ほめてせんにんわるくちまんにん)
世の中に人をほめる人間は少なく、悪口を言う人間が多いということ。
1000に対して10000というわけですが、あながち懸け離れた割合とも言えない気がします。絶対に人の悪口は言わないと心に決めている人は多いかもしれませんが、同時に誉めるということはできていますでしょうか?私はあまりできていません。
まずは一切合切悪口を言わない事から。次に人を誉めるよう努めましょう。
千石取れば万石羨む(せんごくとればまんごくうらやむ)
人の欲の限りのないこと。
石とは石高のことで、武士の俸禄(ほうろく)。
千石取りになれば、今度は万石取りになりたいと思うわけだ。
もしあなたに欲(とくに物欲)があったとすれば、それは永久に満たされないという事です。
万古不易(ばんこふえき)
永久に変わらないこと。「千古不易(せんこふえき)」とも。
対義語を挙げるなら、有為転変(ういてんぺん)、諸行無常(しょぎょうむじょう)あたりでしょうか。
実際に万古不易のものが存在するのかというとそれは分かりませんが、大昔から価値がある物、いつまでもずっと強い者などのたとえとして使われることがあります。
ゲームなど、ラスボス格の敵が”万古不易の王”などと呼ばれている創作物があるかもしれません。
一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)
初夢に見ると縁起が良いとされるもの。
順に、不死・高い・成すという意味を含んでいます。
富士山、鷹狩り、初物の茄子はどれも徳川家康が好んだ物と言われています。
鷹は富士山、特産品折戸なすと並び、静岡県の名所として愛鷹山(あしたかやま)のことを指すという説もあります。
四扇五煙草六座頭(しおうぎごたばころくざとう)
扇は逆八の字型で末広がりを表し、煙草は煙の上昇、座頭は毛がないことから「怪我無い」ということで縁起が良いとされています。座頭とは盲目僧の階級の一つ。
朔日(ついたち)か、二日か三日か、何日に見るのが初夢かという議論は絶えませんが…、三が日の間に見た中で一番縁起が良さげなものを初夢にしてしまえば良いと私は思います。
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数字を含む故事・ことわざの第二弾でした。
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