二つ結いの髪形を”ツインテール”と呼びますが、実は”ウルトラマン”に出てくる怪獣の名に由来します。
ツインテールといえば、可愛らしさや若々しさを象徴する幼子の髪形ですから、嘸(さぞ)かし愛嬌のある怪獣なんだろうと思い調べてみたがとんでもない。
簡単に言えば、ハサミムシがデカくなったやつ。
それがヨガで言うところの”チンスタンド”のポーズをしていて、名の所以となる二本の尻尾と地面すれすれの位置にある顔面のキバを武器にして戦うようです。
同じ”ツインテール”でも髪型と怪獣とでこれだけに違いがあるとは。
さて、今回は髪型の名前について。
久しぶりの難読漢字シリーズ(?)です。
角髪
読み:みずら、つのがみ
”美豆良”とも書く。
古代日本の貴族男性がしていたとされる髪型。アニメや漫画などの創作物で「弥生人」はだいたいこの髪型で描かれる。
伸ばした髪を左右の側頭部付近で束ねる。古墳時代の埴輪にもみられる。
丁髷
読み:ちょんまげ
江戸時代の男性によく見られた髪型。前頭部から頭頂部の頭髪を剃り、残りを結う。兜や冠を被る時に、中にまとめて髪を入れるため。
1871年に断髪令が出てから廃れる。丁髷を切り落とした髪を”散切頭(ざんぎりあたま)”と呼び、「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」と、明治文明開化の象徴に。
月代
読み:さかやき
「丁髷」において、剃られた前頭部から頭頂部のことを指す。
大銀杏
読み:おおいちょう
大相撲などの公共の場において、番付が十両以上の力士が結うことが許される髪型。
力士の体躯に合わせて丁髷よりも結う髪の量を増やしたもの。月代は見られない。
断髪令が発行された後も廃止を免れ、現在まで残る。
大垂髪
読み:おすべらかし
宮中に仕えていた女性がしていたとされる髪型。
前髪を大きく横に膨らませ、肩のあたりで束ね、残りの髪を水引(みずひき)などで等間隔に束ねる。現在でも、雛人形のお雛様によく見られる。
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以上、髪型の名前(難読漢字)でした。
これまでは(きっとこれからも)髪型に無頓着なまま生きてきましたが、髪型は本当にバリエーション豊富で奥が深いですね。
単に髪型の名前だけならまだしも、用途・文化・歴史などを詳しく調べようものなら、いくら時間があっても足りないくらいです。
自分がもし女性として生まれていたら、どんな髪型にしているだろう。