因果応報という言葉があります。
良い行為には良い結果、悪い行為には悪い結果が返ってくるという意味です。
一見、直接的な因果関係が無いものが多いですが、そこがこの宇宙法則のミソなのでしょう。
己の欲せざるところ他人に施すなかれなどと言いますが、他人に対する嫌がらせをすることは、結局自分が痛い目に遭うことになりますよという訓告です。
現世でそれがあらわれなくとも、来世で影響があると仏教などでは説いていますが。
今日は「報い」に関する四字熟語やことわざを紹介します。
目次
陰徳陽報(いんとくようほう)
善行を積めば、必ず良い報いが得られるといったたとえ。
陰徳(いんとく)とは、人の目につかないところでひそかにする善行のことで、対義語は陽徳(ようとく)。
「徳を積む」には、やはり陰徳が勧められますが、陽徳も立派なことではあります。
やらない善よりやる偽善。まあ確かに。
関連語句
「善因善果(ぜんいんぜんか)」
「悪因悪果(あくいんあっか)」
向天吐唾(こうてんとだ)
人に害を与えようとすると、かえって自分にその災いが降りかかる。(天(てん)に唾(つば)する。)
天に向かって唾を吐くと、当然重力の関係で自分の顔にかかります。
そりゃ物理法則的に当たり前だと思うかもしれないが、同じように宇宙法則も働いています。地に向かって吐いたとしても、それは同じことです。
関連語句
「自業自得(じごうじとく)」
天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)
天が張り巡らす網は大きく、悪人・悪事は決して取り漏らさない。
声に出して読みたい日本語トップランカーが来ました。
同様の意味の「天網恢恢(てんもうかいかい)」という四字熟語も存在。出典は『老子』。
恢恢とは広く大きい事。所謂「お天道様が見ている」というやつだ。
関連語句
天罰覿面(てんばつてきめん)
天に眼(てんにまなこ)
情けは人のためならず(なさけはひとのためならず)
人に親切にすると、めぐりめぐって自分にも良い報いが来る。
「情けをかけることはその人の為にならない」…という解釈が間違いだというのは、この記事に辿り着く方々ならおわかりだと存じます。
実は後半部分が省略されており、それが誤解を招く要因となったのでしょう。
”情は人のためならず、巡り巡って己がため”が元の文。
善い行いには善い結果が返ってきます。人の為というよりはむしろ自分の為なのだよと言いたかったのでしょう。
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「倍返しだ!」が流行語になりましたが、物語の範疇で楽しむべきものであり、社会現象としてそれが浸透することは決して心地よいとは思えません。
酷い仕打ちをされているにもかかわらず、また「倍返し」することにより、またその報いを何処かで受けなければならなくなるのですから。人を呪わば穴二つです。
宇宙裁判所なるものの存在を信じ、そこで公正に裁いてくれるのを祈るしかないのでしょうかね。
やり返すならば、暖かく接してくれた人たちへの幸せの倍返しというやつをお願いしたい。