長い前置きは前回記事に置いてきました。(方言について書いたので、良かったら見ていってね。)
今回こそは、喋り方一つで他県の人から注目される大阪の言葉を漢字表記にしてみましたという記事でございます。
大阪弁人気の理由を考えていたのですが、上方落語などでは、上方近辺独特の言い回しをしますから、それで興味を持つ人が多いのかなと。
...それぐらいしか思い浮かびません。
前回でも言いましたが、やはり中心地である東京の言葉とどれだけ懸け離れているかという点が大きいでしょうか。
それでは、行きましょう。
~目次~
ほんまにしょうもない
漢字表記は本真に仕様もない。
いわずもがな、つまらない・楽しくないという意味と、取るに足りない・些末(さまつ)なという意味。
お笑いの街、商売の街としての大阪を代表する言葉ですね。
”ほんま”の表記が”本間”ではない点に注意。
いかれぽんち
行かれ坊んち。
軽薄で間抜けな男のこと。
「あいつは頭がいかれている」などと言うときの”いかれ”と、「お坊ちゃん・ぼんぼん」などを表す”ぽんち”から成る言葉。
こてこての大阪人でも今やこんな言葉を使う人はいないでしょう。所謂死語というやつです。
ぼちぼちでんな
点々でんな。
「儲かりまっか?」と訊かれたら、「点々(ぼちぼち)でんな」と答えるのが大阪商売人の定型句(?)。
ぼちぼちということは、それなりに儲かってますよという意味。
普通の会話で使われるというよりは、挨拶代わりのようなもの。
しかし、このご時世ですから、「全然あきまへんな」というのが心情でしょうか。
あんじょうよろしく
味善う宜しくと表記したのは、谷崎潤一郎『細雪』。味良うや味能うでも正解。よろしくお願いしますといった意味合い。ローカルですこし砕けている表現。
「味善う」は”ほどよく”といった感じ。
料理の塩加減がいいことから、具合が良いさまを表す”塩梅(あんばい)”という言葉がありますが、それと似ているような気がしますね。
やかましい
喧しい。(喧しいは”かまびすしい”とも読む。)
八つの釜がぶつかり合う様子、或いは八つの釜が煮えたぎる様子から、八釜しいと漢字を充てたのは夏目漱石。
「弥囂し(いやかまし)」が転じたというのが語源と言われている。
弥=「いよいよ、いっそう」 (弥栄[いやさか])
囂し=「騒がしい」 (喧々囂々[けんけんごうごう])
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以上、「大阪弁を漢字表記にする」でした。