長い前置きは前回の記事に切り分けました。
「人生に役立つ難読語」と銘打ったテキストからの出題です。
高校生の古文の授業でこの印刷物が配られ、当時頑張って覚えた記憶があるのですが、実際にこれまでで役に立ったかどうかは怪しいです。
とはいえ、知ってて損をしたということは今のところありません。
「経験や知識が邪魔をして…」という様なことも、おそらくないでしょう。
それでは、どうぞ
~目次~
流鏑馬(やぶさめ)
走る馬に乗りながら弓矢を射る神事。
鏑(かぶら)とは矢の先端付近に取り付ける道具。木や竹、鹿の角などから作られ、長円形。中は空洞で風を切ることによって大きな音が鳴る。
馬を馳(は)せながら矢を射ることから「矢馳せ馬(やばせめ)」、そこから「やぶさめ」と呼ばれるようになり、”流鏑馬”の字が充てられたという説が有力。
五月蠅(さばえ)
陰暦五月ごろに発生し群がり騒ぐハエ。夏の季語。
陰暦五月は現在の暦とズレがあり、今でいう六月下旬~七月中旬ごろにあたる。
”五月蠅い”と書いて「うるさい」としたのは、この頃に発生するハエが相当煩わしかったのだと推測される。
さばえなすかみ
陰暦五月に大量発生するハエのように、四方八方で荒ぶる悪鬼(あき)。
先述したように陰暦五月は梅雨期であるため、高温多湿により疫病の発生しやすい期間でした。ハエのように各地で発生する疫病を鬼に例えたのがこの言葉。
漢字表記は「五月蠅なす神」。
五月雨(さみだれ)
陰暦五月に降る長雨のこと。
ほぼ「梅雨」の別名として語ってよい。(?)
この”五月”が陰暦であることがわかれば、この漢字表記の理由もわかりますね。
五月雨式(さみだれしき)
さみだれしきで申し訳ないのですが、この言葉も取り上げておきます。
梅雨期の長雨のように、後から小刻みにだらだらと物事が続く様子。
産土神(うぶすながみ)
(自分が)生まれた土地の守り神。
土(すな)を生み出す神。大地を生み出し、その土地に住む人間の生活全般に関わる。鎮守(ちんじゅ)とも。
最近は氏神(うじがみ)と同様に語られることが多いですが、氏神は氏(同一血族)を守護する神というのが元である。
御用達(ごようたし・ごようたつ・ごようたち)
皇室や王室からの指定を受けて物品を納めること。また、それを認められた特権階級の商人。
元々は”特定の官庁に出入りができる商人”のことを指す。現在では「お気に入りの」「お得意さん」「愛用ブランド」という意味で広く使われることが多い。
読み方は三種類(ごようたし・ごようたつ・ごようたち)あり、どれでも誤りではない<広辞苑>とのこと。
遺言(ゆいごん・いごん・いげん)、貼付(てんぷ・ちょうふ)、施術(せじゅつ・しじゅつ)、重複(ちょうふく・じゅうふく)などの熟語みたいなものでしょうか。
ただ、「どれも間違っていなくとも、これはこう読むのに統一すべきだ!」と言う派閥がありそうですね。
↓参考
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きょうはここまで。
さようなら。