記録的な暖冬と報道されていますが、2月を迎えてから気温が低くなることが多くなりました。気象用語で寒の戻りや早春寒波と言われていますね。
2月を如月(きさらぎ)と言いますが、寒さで衣を更に着ることから、「衣更着」とも表記されるそうです。
節分も跨ぎ立春を迎えましたが、暦上での春とは見て呉ればかりで、感覚的にはまだまだ冬といったところでしょうか。
記事の間隔が空いてしまいました。今日は、よく耳にする、或いは聞いたことのある諺(ことわざ)・格言の正しい意味の確認をしていきましょう。言い換えれば「間違いやすい諺・格言集」というやつでしょうか。
ポピュラーなものから少しマイナーなものまで何回かに分けて紹介します。
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
羹(あつもの)とは熱い吸い物のことで、膾(なます)とは冷たい和物(あえもの)のこと。
羹で舌を火傷してしまったため、膾を食べるのでさえもふーふーと冷まして食べようとする様子。用心過多への揶揄表現。
似た意味の諺に「石橋を叩いて渡る」というのがありますが、こちらは”羹に懲り”た体験をしたという背景も含まれていますから、使われるべき文脈が異なる可能性もあります。
市に虎あり(いちにとらあり)
町に虎など出るはずがないのに、誰かが出たと言い出したらそれが事実として町中に広まってしまうことから、噂は一人歩きしがちであり、何気ない冗談が流言蜚語(りゅうげんひご)となり得るという教訓の言葉。一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆである。
「都会は怖いので気を付けて」という意味ではないことに注意。
麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
麻はまっすぐに伸びることから、真っ当な善人。対して蓬は、その中で曲がった性格をしている人のことを表す。麻の中で育った蓬は、感化されてまっすぐ伸びるようになることから、好影響を受けて更生した人間の喩えとして使われる。
周りに流されない異色な俺カッコイイみたいな意味はありません。
渇すれども盗泉の水を飲まず(かっすれどもとうせんのみずをのまず)
ややマニアックな諺かもしれません。出典は中国の古書『猛虎行』。「盗泉」は、山東省泗水(しすい)にあった地名だそうです。儒教の始祖孔子はこの名を大変嫌っていたため、喉がカラカラでもそこでは水を飲まなかったようです。
いくら困窮していても、不正・不義理なことは決して行わないという信条のことを表します。「盗泉」とはいっても、「盗んだ水」のことではないということに注意。
詰め込みすぎるのは(とくに私にとって)良くないので、今日はここまで。
まだまだ更新を止めたわけではありませんので…、次回もよろしくお願いいたします。