日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

尾鰭(おひれ)を付ける 「おびれ」と読むのは誤り!?

どうもこんばんは。

三度目の更新となります。

 

ことわざにも、「三日天下」「三度目の正直」「孟母三遷の教え」とあるように、三回目というのは何かしらのターニングポイントであることは間違いないようです。

 

とくに、中国の三国時代、劉備が諸葛亮(孔明)をスカウトする為、住まいを三度も訪ねたという「三顧の礼」というのは、まさにそれを詳述していると思います。

他にも、「仏の顔も三度」「三日坊主」など、三回目というのは、物事における第一の転換期、と言っていいのではないでしょうか。

 

さて、本題の尾鰭(おひれ)を付けるですが、

事実以外のことを付け加える。

事実を誇張して言う。

という意味を持つ慣用句です。

 

これを「おびれ」と読んでしまうと、尾の鰭のことになってしまいます。

のことを言っているのであって、尾の鰭だけを言っているのではありません。

もっと大仰で壮大な表現がなされているのです。

 

人の噂とは大変におそろしいもので、尾を付けられ、鰭をも付けられ、実物とはかけ離れた大きなものへと変貌し、そこら中を泳ぎ回ってしまいます。

芸能界のゴシップ記事などでよく使われる手法ですね。

噂話なんて、盛りに盛られたものが大半です。新聞、ネット記事、SNSでの流言飛語、汚い思惑も渦巻いています。話半分腹八分、取り合わないようにしたいですね。