小説を読むという機会はめっきりなくなってしまっていたのですが、最近は短い間でも本を手に取り読むという意識付けを始めました。
小説なんて、ある程度の纏まった時間がないととても読めたもんじゃないと思っていたのですが、電車での移動時間やレストランでの待ち時間など、合間を縫うように本をカバンから取り出すことを続けていると、案外それまでの展開などが頭の中ですでに整理されていて、すんなりと読み進めることができるものです。
ブログの再起に向けて動き出そうと、難しい言葉との出会いを期待し読み始めた小説たちですが、スマホ依存からの脱却という嬉しい副次的効果も齎(もたら)してくれました。
読む本といっても、話の内容が面白いと思えるものを読むべきなのは大前提ですが、お勧めなのは、やはり一昔前の作品。その理由は、昔ながらの難しい言葉が織り交ぜられているから。
名作と呼ばれる小説を読み、そこに出てくる難解な言葉を深く理解し、実際にその情景を自分なりありありと思い浮かべること。それこそが、日本語の表現力を鍛える最も効果的な方法なのではと考えています。
さて、今日は二字熟語を紹介。
漢字を見ただけでは殆ど意味が分からないようなのを4つ集めてきました。
反古(ほご)
書き損じなどで、不要になった紙。
”反故”とも。
多くは”反古にする”という形で使われ、約束をなかったことにする、約束を破るという意味に。
使い”古”しの紙は”反(=裏返し)”にして使われるというのが語源だろうと思われる。
裏返しにして使われるような紙は役に立たないので、破棄される。→記録が残らない。→約束をなかったことにする。という意味になったか。
食言(しょくげん)
言ったことを実行しないこと。前に言ったことと違うことを言うこと。
前に一度言ったことを、また口に戻し食べるということ。つまり、嘘つき。
実際のところ、言葉というのは口に出してしまったが最後、それを戻すことはできません。大言壮語を吐いたり、他人へ非難の言葉を浴びせることは慎むべきですね。
反哺(はんぽ)
親孝行をすること。
”哺”とは口に食べ物を含むこと。”反”はかえすこと。
カラスは親からの恩を忘れず、成長すると老いた親に口移しで餌を与えると言われている。【慈烏反哺(じうはんぽ)】
鳩に三枝の礼あり烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいありからすにはんぽのこうあり)
親孝行はすべきであるというたとえ。
”三枝の礼”とは、小鳩は親鳩の三本下の枝に留まるという礼儀を弁えているということ。
鳥でさえ親の恩に報うというのに、況や人間においてをや。
夜鶴(やかく)
子を思う親の愛情が深いこと。
出典は白居易『五弦弾』、「夜鶴子を憶い籠中に鳴く」から。
霜の降りるような寒い夜、鶴が巣の中で雛を羽で包み込み鳴く様子が、いたく情深く感じられる。
焼野の雉子夜の鶴(やけののきじよるのつる)
夜鶴と同じく、子を思う親の愛情が深いことのたとえ。
棲み処の野を焼かれたキジは、わが身を顧みず子を救うために巣に戻る。
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以上、難解な二字熟語でした。
♪からす なぜ鳴くの
「七つの子」というタイトルは、あまり知られていないようですね。
それでは、さようなら。