日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

「青」を含む言葉

苦くて不味いことが売りだった青汁が随分飲みやすくなっていることを知りました。

「不味いー。もう一杯!」

ずいぶん昔ですが、あのCMが蘇ります。

あれを超えるキャッチコピーなんてなかなか無いでしょう。聞くところによると、俳優さんのアドリブだったとか。

 

・・・さて、頭では味のことばかり先行して、色と名称の不一致については何も不思議に感じないわけですが。

「青信号、青じゃなくて緑じゃん!」と、真っ当な疑問をぶつけていた幼少期の純粋さはどこへやら。

高校までは「プリント」と呼んでいたものを突然「レジュメ」と呼ぶようになった大学生や、メジャー一年目で「ストレート」だったのが全て「ファストボール」になった元プロ野球選手の上原浩治さんの話でかつて盛り上がったものですが、当の自分自身が御多分に漏れず尻の青い付和雷同な人間であったと。

思い返せば、「私、ブログを少しやっているんです。」と自己紹介した時の「ブログ」のアクセントも平板化していたように思う。

周囲に影響されまいと恬然としてる風を装っていても、ほぼ例外なくその環境の色に染まってしまっているものです。人というものは。

 

さて、今日は「青」のつく言葉をいくつか紹介していきたいと思います。

 

 

青春(せいしゅん)

種々雑多な歓喜や苦難を経験し、自身の在り方を模索する若年期。

古代中国の陰陽五行思想では、春は青色が充てられることから。元々は季節の春を表す言葉。

そもそも緑のものを「青」と言ったりするのは、漢字の起源である中国に拠るものが大きい。

因みに残りの季節は、朱夏(しゅか)白秋(はくしゅう)玄冬(げんとう)である。

 

青二才(あおにさい)

若くて経験が浅い男。

”二才”は、若い男を表す新背(にいせ)が変化したという説が有力。

出世魚で青魚の鱸(すずき)が二歳時点では未熟だからとする説もある。

 

青大将(あおだいしょう)

日本国内で最大のヘビ。ナミヘビ科ナメラ属。

農作物を荒らすネズミを餌とすることから、古くから家の守り神のような存在とされてきた。

山口県岩国市の白色の青大将は国の天然記念物に指定されているらしい。

 

青写真(あおじゃしん)

未来予想図。将来像。

元は、建築や工作の設計図を複写する際にかつて用いられた方法のこと。

多くは”青写真を描く”という形で用いられ、未来の完成系とそれに行きつくまでのプランを考えることを意味する。

 

青田刈り(あおたがり)

可能性の芽があるものを事前に排除すること。

敵地の田の稲がまだ実らないうちに刈り取り、食糧を減らして弱らせるという戦国時代の軍事戦術。

敵の危険因子を有害になる前に排しておくこと。いわゆる「若い芽を摘む」というやつ。

 

青田買い(あおたがい)

可能性の芽があるものを事前に買い取ること。

青田刈りとの違いを明確にして覚えておくべきがこの言葉。

多くの収穫が見込める田を先買いすること。そこから、現在では就職活動で有望だと見越した学生を早い段階で内定を出し採用するビジネス手法のことをいう。

 

青息吐息(あおいきといき)

苦悩を抱えている時に出るため息。またそれが出るような状況にあること。

青ざめた表情でつくため息なので、「青息」だとする説がある。

1980年代にヒットした曲「桃色吐息」との混同で”青色吐息”としてしまいそうである。”青色吐息”も意味的にはそう違わない気がするけれど、”青”は、「息」を重ねることで語意を強調できている点を認められるべき。

 

青天の霹靂(せいてんのへきれき)

思いがけない突然の出来事。

「青天」とは晴れの日。「霹靂」とは雷が鳴ること

出典は南宋(1127~1279)の詩人陸游(りくゆう)の『九月四日鶏未鳴起作(九月四日鶏が未だ鳴かず起きて作る)』。

”晴天”と表記しない理由は、”青天”のほうが天候的には快晴を想起させる点、「雲一つない真っ青な空から雷が…」と言う様な、色に焦点を当てたことによるギャップを生み出す点などが考えられる。

類義語は「寝耳に水」。これも、突然の出来事に驚くことを表す。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

美しく青きドナウ』という楽曲がありますが、「青く美しきドナウ」だったかどっちかわからなくなる時があります。(意外とあるある?)

ドナウ川は、川沿いに文化的遺産が多くあったり、綺麗な風景が魅力な川だなぐらいに思っていたのですが、全長がヨーロッパで二番目だそうです。(ちなみに一番はヴォルガ川)

今日はこの辺で、さようなら。