日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

「晦日」とは

今晩は。年末のご挨拶に一つ記事を書かせて貰おうと思います。

「晦日」という言葉についてでございます。

意味はご存知の通り、月の最終日のことです。そして、年の最後でもある十二月の晦日を大晦日と言います。

大の月は31日、小の月は30日(2月は28日)が晦日にあたります。

今月は31日までだっけ? 30日までだっけ? と迷ったときに思い浮かべるべき文言は、小の月(2月、4月、6月、9月、11月)の語呂合わせの、西向く侍(にしむくさむらい)が有名ですね。(11が侍なのは、「さむらい」とも読む”士”と言う字が、”十”と”一”で組み立てられることから。)

 

さて、ここまでは疾(と)うの昔に知っておられることと存じますが、

それではこの「晦日」には3種類の代表的な読み方があることは、如何でしょうか。

 

ひとつは、「みそか

もうひとつは、「つごもり

そしてもうひとつは…、「かいじつ

 

「みそか」は”三十日”から来ている読み方で、太陰暦では大の月が最終日が30日なのが基本でした。”十”を「そ」と読む例は、短歌の別称 ”三十一文字(みそひともじ)”。

「つごもり」は月が姿を隠してしまう”月籠り”が由来です。太陰暦では晦日は新月の前日にあたります。

「かいじつ」は晦日の音読み。「晦」には、月が隠れて見えない暗いという意味があります。姿をくらませるという意味の「韜晦(とうかい)」という熟語を見聞きしたことがおありかもしれません。

 

対となる語で、「朔日」というのがあります。読み方は…「さくじつ」。意味は月の初めの日のことで、「ついたち」とも読みます。”月立ち(つきたち)”の連音変化(=イ音便)。

 

 

・・・。

 

うまい締め方ができませんが、以上で2019年の更新は終了でございます。

今年も残すところ、あと数十分となりました。

来る2020年は東京五輪の年ですね。一部界隈では嘸(さぞ)かし盛り上がっているのでしょうが、私からすれば、何事もなく無事に終わって欲しいと願うばかりでございます。

 

本日はこの辺で。良いお正月をお迎えください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。