こんばんは。
「~冥利(みょうり)に尽きる」という言い回しを聞いたことがあると思います。
その立場にいることによって、大きな恩恵を受けたという意味です。
例えば、役者冥利に尽きると言うと、役者という仕事をやっている身として大変に幸せだという解釈になるでしょう。ドラマや映画の放送前の会見で、俳優さんの口からよく聞く言葉です。
「冥利」とは仏教の言葉が元となっており、冥界(=あの世)にいる神仏から授けられる利益のことをいいます。「冥加利益(みょうがりやく)」の略語です。
冥界からの加護、つまり神仏から授けられるものなので、思いがけず手に入るものなのです。
単にその立場にいるだけで得られる「役得(やくとく)」とは重みが違います。
誰に褒められなくとも、どれだけ頑張っても給料が同じであろうと、一所懸命に自分の仕事をするのです。着実に能力を上げていくのです。そうすれば、いつしか神仏から恵みを賜(たまわ)ることができるかもしれません。
そして御利益を授かることができたならば、知らないうちにありとあらゆる恩恵を与えてくれていた神や仏に謝礼としてお金を納めるのがよいとされています。これを冥加金といいます。
地位の高さやどのような役職であるかは、神仏から見れば大した差じゃないでしょう。それよりも、今自分が置かれている立場で如何に立派に振る舞えるか、力を出し切れるかが大事なのだと思います。
今日はこれでさようなら。