おはようございます。
今回は、愚かなこと・愚か者のことを表す熟語を7つ紹介したいと思います。
同様の意味を表す熟語には枚挙にいとまがありませんが、あまり認知されていないものを選んで取り上げてみました、是非ご覧いただけたらなと思います。
薄鈍(うすのろ)
知性が劣っていること。動作や反応が遅いこと。
「うすのろのばか」と呼ばれる、トランプを使った遊びがあります。
詳しいルールは忘れてしまいましたが、反射神経を競う内容だったと思います。私は苦手で、いつも負けていたような覚えがあります。
「薄鈍」という表現が差別的表現だとして規制されてしまったのでしょうか。このごろはさっぱりと聞かなくなりました。
迂拙(うせつ)
不器用で世渡りが下手なこと。
「迂」を使う熟語にはほかに、迂回(うかい):まわり道をすること というのがあります。
男性の一人称としても使われました。へりくだって自分を表す言葉には、他にも小生(しょうせい)や、拙者(せっしゃ)というのがありますね。
梼昧(とうまい)
無知であること。
「梼」も「昧」も無知で愚かなことを表す。
烏滸(おこ)
馬鹿げている有様のこと。
「烏滸(おこ)がましい」の形で、「生意気だ」「分不相応だ」という意味になります。
実際には、「アマチュアの私が意見するのも烏滸がましいですが…。」などと、謙遜的な場面で使われることがほとんどです。
滸(みぎわ)の烏(からす)がやかましいことからこの漢字が充てられました。
「痴」と漢字を書く場合も。
槃特(はんどく)
理解力が鈍いこと。
釈迦の弟子に「周利槃特(しゅりはんどく)」という人がいました。
彼は大変に頭が悪く、一つの句も記憶ができないほどで、何をするにも要領の悪い人間でした。が、与えられた掃除という修行を只管(ひたすら)に続けることでやがて悟りを開いたといいます。半端な知恵はむしろ妨げになるのかもしれません。
駑馬(どば)
足の遅い馬のこと。そこから、才能のない者のことを表す。
「駑馬に鞭打つ」で、自分の精一杯な努力を謙遜した意味になります。
駑馬十駕(どばじゅうが)・・・駑馬でも十日間走れば、駿馬(しゅんめ)の一日に走る距離に相当することから、凡人でも、努力すれば才能のある者と同等の実力を手に入れられる 。
騏驎(きりん)も老いては駑馬に劣る など。
※騏驎とは、一日に千里を駆ける素晴らしい馬のことで、「麒麟」とは別物。
麒麟は、中国神話に登場する霊獣。
「騏驎」と「麒麟」
馬偏(うまへん)と鹿偏(しかへん)の違いですね。
表六玉(ひょうろくだま)
まぬけな人を嘲けていう言葉。
危機が迫っているにも関わらず、頭・手足・尻尾を表に出しっぱなしにしているノロマな亀の様子から。
以上、「愚かなこと」を表す熟語でした。
人を罵倒するためではなく、自分を謙遜するために使われることが多いのも面白い所ですね。
今回はこれまで。さようなら。