日本語仙人の難しい日本語

漢字の読み書き、常套句、ことわざや格言、間違えやすい言葉―。中・上級レベルの日本語を紹介。

「欲張って両方だめにする」ことを表す言葉。

 どうもこんばんは。

 

「目先の利益にばかりとらわれていると、重大な過ちを犯すぞ。」

口を酸っぱくして言われました。耳にたこができるほど聞きました。

分かっちゃいるけど、やめられない。

いわば人類の永遠のテーマですね。

 

以下、「欲張って両方だめにする」ことを表す言葉。

 

虻蜂とらず

虻(あぶ)と蜂(はち)を両方捕まえようとした結果、両方とれない。

また、「鷹の餌食」と続き、更なる災難が降りかかることをいうこともある。

 

二兎を追うもの一兎をも得ず

二頭のウサギを両方いっぺんに追いかけましたが、一頭も捕まえられなかった。

一頭ずつ追っていれば、二頭とも捕まえられたかもしれません。

 

多欲は無欲に似たり

多くのものに手を出したばかりに、一つ一つのことがおろそかになり、結果的に何もやってないのと同等である。

「本当に目指す気あんの?」と言われたりするのは、このパターンではないでしょうか。力を分散させると、どれも中途半端に終わってしまいます。そもそもの目的を失ってはいけません。

 

イソップ物語にも「犬と肉(ししむら」という話があります。

水面に映る肉を取ろうとして、咥(くわ)えていた肉を川に落とす。

というおばかな犬の話だったと記憶しています。

 

肉を「ししむら」と読むのが興味深いですね。

肉叢」と表記するのが一般的です。肉塊のこと。

小説などで稀に、痩せた人を「痩せ肉(じし)」、太った人を「太り肉(じし)」と表現することがあるようです。

 

私は「よくばりわんくん」というタイトルの絵本で初めて知りました。

幼少期で最も記憶に残っている絵本の一つです。

まあ、タイトルが好きなだけですが。

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引き際を予め決めておけば、大損は回避することができると思うのですがね…。

むらむらとした目先の欲に襲われた時は、一度冷静になってこれらの言葉を思い出したいです。